お店が火事になったら・・・
お店が火事になったら・・・
今週の実査※で消防署に引っ掛かってしまいました。
警察の検査には営業者さんが必ず来るので、それに合わせて消防署と市区の建設課も検査に来ます。
新宿歌舞伎町の風営ビルで約30人が無くなった火災がきっかけで、消防署は消防法に適合しているか、建設課は建築基準法に適合しているか、を検査していきます。
※実査:許可を申請しているお店で行う警察の立ち入り検査
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お店は写真のようなおしゃれなスケルトン天井の店なのですが、そのスケルトン天井の仕上げが×××
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吹き付け塗装仕上げなのですが、その吹きつけの際にスプリンクラーにかぶせたカバーが全部付けっ放しだったのです。
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カバー付き
これでは火災が発生しても水が出ません。どこかの指令で水が出るのではなく、個々のスプリンクラーが熱を感知してその熱で感知部品が破裂して水が放射されるのです。ですからこの状態では熱を感知しようもありません。
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カバーを外した状態。
カバーを一部外し忘れ、ではなく全部カバーされたままでした。
このお店は施工後、2店目ですから、前の店はずっとスプリンクラーが稼働しない状態で営業していたのでした。
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しかもこれは火災報知機。雰囲気温度を感知しなければならないのに、メッシュ部分が塗装ですっかり目詰まりしてます。これでは感知のしようもありません。
新宿消防署の武○消防司令補にすっかりばれてしましました。
武○さんはいつも実査で御一緒するので、気心しれていましたが彼は入署直後、消防設備に係わっていたのでスプリンクラーにも詳しいのでした。
また私も、甲種一類消防設備士 (甲種一類=甲種:スプリンクラー設備 一類:設計・施工)ですので話が弾みました。
じつはここのフロアに設置されていたスプリンクラーヘッドは、感知温度96度とか132度というものだったのです。通常の客室等は72度に温度が上がるとスプリンクラーが作動します。
でも調理場は火を使って温度が上がっていますから96度に設定、サウナはもっと高い132度・・・
この客室はサウナ扱いの温度設定だったのです。
さすがにこうなると、スプリンクラーの工事自体を防災業者さんがやったのではなく、何も判っていない水道工事業者さんがおやりになったのでしょうね。そういう結論になりました。
検査は、手前どもが「ああ言えば、こう言う」で、切り抜けました。でも、本当にj火事が起きたら、サウナ並みの温度を超えないと、ここのスプリンクラーは作動しませんよxxxxx